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ITシステム導入よもやま話バックナンバー

私が行っているITシステム導入のよもやま話 を書いていきます。 まぐまぐメルマガのバックナンバーブログです。

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フェーズドアプローチとプロジェクトのキャッシュフローマネジメントとは


本日は「分割検収」と「フェーズドアプローチ」について説明しましょう!

「プロジェクトのキャッシュフロー」は頭が痛い問題です。

一括請負などでは納入後に一括して代金が支払われますが、長期プロジェクトと

なるとその莫大な手出しのコストが会社のキャッシュフローを圧迫します。

これでスケジュールが遅れでもしたら大変です。プロジェクト途中で経営難に陥る

SIベンダーもあるくらいです。古き良き時代なら受注書をみせれば銀行が融資

してくれることもありました。今は、そうとは限りません。そもそも銀行から借り

るということは、利子を支払うということですので、会社の利益に影響を及ぼしま。

 最低でも、分割検収やフェーズドアプローチなどで工程ごとにキャッシュを受け

取れるようにしておけば手出しが減り、会社のキャッシュフローへの負担を軽減す

ることができます。

 大規模プロジェクトであればあるほどプロジェクトリスクは大きく、リスク回避

の方法を熟考しなければなりません。

 キャッシュフローが悪化する懸念からプロジェクトの要員補充計画に悪影響を与

え、臨機応変の組織編制を阻害する可能性もあります。稟議が通りにくくなるので

す。

 ですので、キャッシュフローに難がある場合は、一括検収ではなく「分割検収」

「フェーズドアプローチ」にするなどして、プロジェクトの完成時だけでなく、

その途中である工程完了時にもユーザーに検収を上げてもらい、ユーザーからキャッ

シュを補給しながら、プロジェクトを進めていけるようにしましょう。

なるべくプロジェクトの途中でキャッシュを補給でき、持ち出しを少なくする方

法を前提に考えてプロジェクト運営方針を立案したほうがいいでしょう。 

この2つはフェーズ(分割)の分け方によっては同じ意味で使われることが

あります。

一つ目の「分割検収」は、基本、システム導入費用の総額は変わらず、

支払うタイミングが工程単位となるやり方です。

以下の例は、総額1億円のシステム導入プロジェクトの検収と代金支払の

タイミングを、0.5(着手金、要件定義):2.5(設計):6.0
(プログラム開発):1(以降の作業工程)という比率で分割し、
各工程完了後に検収、代金を請求するという分割検収の方法です。

例)10,000万円の開発であれば、

 500万円 : 着手金、要件定義
2500万円 : 設計
6000万円 : プログラム開発
1000万円 : 以降の作業工程

という支払単位になります。

2つ目の「フェーズドアプローチ」とは、

段階的見積方法で、システムの完成までを一気に見積もるのではなく、

要件定義フェーズ、設計フェーズ、プログラム開発フェーズ、

テスト移行フェーズの各フェーズ終了時に次フェーズの再見積りを行います。

このやり方であれば、見積りの精度を上げることもできますし、

フェーズごとに検収を上げてもらうため、分割検収と同じ効果が期待できます。

ただし、フェーズドアプローチはユーザーのシステム導入予算が変動し、

予算が組みにくくなるため、営業段階で難しい状況に陥ることがあります。

競合他社が一括請負で提案してくると、システムの提案内容より予算取りがしやすい

ベンダーが選ばれることになるからです。

日本には「システム化(仕組み化)」という考え方が浸透していないため、

システム化即ちコンピュータシステムの導入となってしまい、

なかなか予算取りの際もシステム化とコンピュータシステムの導入を切り分けること

ができません。

営業としては、売上げが欲しいため、分割検収で話しをつけようとしますが、

プロジェクトマネージャーはフェーズドアプローチをとるよう抵抗すべきでしょう。

そしてこの働きかけの結果、要件定義後か外部設計後の再見積りで落ち着くこと

が多いというのが実感です。

私は、最低でも要件定義後か外部設計後に再見積りで交渉します。

本当は、会社の方針として、フェーズドアプローチをとるよう規定しておくのが

一番いいのですが、なかなか難しいようです。

逆に、ITリテラシーが高いユーザーは、最初にSIベンダーと要件定義、

外部設計を共に行うことでシステム化の手法(ノウハウ)を吸収し、

その後、新システムの構想を時間をかけて社内で構築し、製造開発以降は

適当な時期に、適当なSIベンダーを探して発注するという方策を実施している

ユーザーもいます。

これができるようになると、新サービス、新業務の計画段階からシステム化の方策も

同時進行で策定でき、今後のバージョンアップや新システム導入時のRFPの精度

を上げることもできます。

これは要件定義、外部設計工程の工数低減につながり、割安でのシステム導入が

可能となります。

【引用文献】
ITプロジェクトマネジメントに活かせる孫子の兵法!
詳しくは[URL]⇒【紀伊国屋書店】孫子の計画法



倉庫管理システム(WMS)導入を題材にした小説!
詳しくは[URL]⇒【紀伊国屋書店】窓のないオフィス


闘戦経と孫子の兵法で学ぶ一目置かれる人のメンタルモデルとは

 

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